ブルーベリーにアレルギーはあるの?
子供に果物を積極的に食べさせたいけど、アレルギーが心配。
このような悩みにお答えします。
ブルーベリーは栄養があっておいしいフルーツ。子供の成長のためにも積極的に食べさせたいですよね。
特に、スーパーフルーツと言われるブルーベリー。
健康にいいと言われるポリフェノールや食物繊維が豊富に含まれています。日常的に取り入れたい果物の一つです。
積極的に食べさせたいものの、アレルギーが気になります。
アレルギーを起こす果物はキウイやバナナが有名ですが、ブルーベリーはどうなんでしょう。
今回は、ブルーベリーのアレルギーについて、調べてみました。
果物アレルギーを持つ友人の体験談も後ほど紹介します。最後まで読んでいただけたら嬉しいです。
福岡県直方市にあるブルーベリー食べ比べ観光農園
『ブルーベリーラボ直方』です。
非農家出身で、農地もありませんでした。
40年間、農業とは縁のない人生でした。
ブルーベリー養液栽培で育てられたブルーベリーに感動。
「かんたんキット(簡易的なブルーベリー養液栽培)」からブルーベリー養液栽培の世界に。
2019年10月:本格的なブルーベリー養液栽培を開始。
妻とともにプロのブルーベリー農家になることを決心。
2021年6月:ブルーベリー食べ比べ観光農園をオープン
プロのブルーベリー農家としてブルーベリー栽培の情報を発信中
(YouTubeはこちら)
ブルーベリーのアレルギーについて
ブルーベリーを食べてアレルギー反応を起こす可能性は少なからずあります。
アレルギーとは、人間が持つ免疫反応のひとつです。
本来無害である、特定の植物や食物が持つタンパク質に体が過剰に反応し、異物として認識してしまうのです。
口の中が痒くなったり、じんましんが出たり、場合によっては嘔吐や下痢・ショック症状を起こしてしまうこともあります。
ブルーベリーそのものはアレルゲン物質ではない
消費者庁の定める食品におけるアレルゲン物質(特定義務7項目・準特定任意21項目)には、ブルーベリーは含まれていませんが、果物ではバナナやリンゴ、オレンジ、もも、キウイフルーツが「特定原材料に準ずるもの」として指定されています。
特定原材料7品目 | 特定原材料に準ずるもの21品目 |
---|---|
・卵 ・乳 ・小麦 ・そば ・落花生(ピーナッツ) ・えび ・かに | ・アーモンド・あわび・いか・いくら ・オレンジ・カシューナッツ・キウイフルーツ ・牛肉・くるみ・ごま・さけ・さば ・大豆・鶏肉・バナナ・豚肉・まつたけ ・もも・やまいも・りんご・ゼラチン |
現在では国民の3人に1人が何らかのアレルギーを持っているといわれており、日々次々とアレルゲン物質が報告されております。
私たちが当たり前に食べている食品も、誰かにとってはアレルギーが出てしまう食品だったりもします。
ブルーベリーがアレルゲンとなる可能性は、ゼロではないのです。
ブルーベリーアレルギーの要因
あなたや、あなたのお子様がブルーベリーを食べてアレルギー反応があったとしたら、考えられる要因は2つです。
- ブルーベリーが持つタンパク質に体が反応した
- ブルーベリーが所属するツツジ科の植物にアレルギーがある
これだけではピンときませんよね。
詳しくみていきましょう。
アレルギーはどんな症状が出るの?
ブルーベリーを食べたことで起こるアレルギー反応は「即時型」であるケースが考えられます。
アレルゲンが体内に入った直後から数時間以内という短い時間で症状が出るのが特徴です。
症状で最も多くみられるのは、皮膚症状(かゆみ、じんましん、赤くなるなど)で、9割近い人にみられます。
引用:株式会社 明治 HP
ほかに、咳、目のかゆみ、鼻水、吐き気や腹痛など、人によりいろいろな症状が現れます。ときにアナフィラキシーという重い症状が現れ、命に危険が及ぶこともあります。
口腔(こうくう)アレルギー症候群
即時型アレルギーの一種で、近年報告が増えていている新しい食物アレルギーのタイプです。
生の果物や野菜、大豆(主に豆乳)などを食べたあとに、唇や口の中、のど、耳の奥などにかゆみや腫れ、痛みなどを感じるものです。
口腔内の症状だけの場合が多いのですが、人によってはショック症状を起こしてしまうこともあるそうです。
僕の友人にも、口腔アレルギーを持つ人がいます。彼の症状はこんな感じです。
・特定の果物を食べるとすぐに口の中がイガイガしてくる
・耳の奥がかゆくなる
・体調が悪いときは乾いた咳と喘鳴(ぜいめい:呼吸がゼーゼー、ヒューヒュー)が止まらなくなる
花粉症の人は要注意!知っておきたい「交差反応」
口腔アレルギーを持つ人は花粉症を発症しているケースが多いそうです。
生野菜や果物のアレルゲンが、花粉のアレルゲンと構造が似ていることが原因と考えられており、これを「交差反応」と言います。
花粉 | 果物・野菜など |
---|---|
カバノキ科 ・シラカンバ ・ハンノキ ・オオバヤシャブシ | バラ科(リンゴ、西洋ナシ、サクランボ、モモ、スモモ、アンズ、アーモンド) セリ科(セロリ、ニンジン) マメ科(大豆、ピーナッツ) マタタビ科(キウイフルーツ) |
ヒノキ科 ・スギ | ナス科(トマト) |
イネ科 | ウリ科(メロン、スイカ) ナス科(トマト、ジャガイモ) マタタビ科(キウイフルーツ) ミカン科(オレンジ) |
キク科 ・ヨモギ | セリ科(セロリ、ニンジン) ウルシ科(マンゴー) スパイスなど |
キク科 ・ブタクサ | ウリ科(メロン、スイカ、カンタロープ、ズッキーニ、キュウリ) バショウ科(バナナ) |
調べた限りでは、ツツジ科であるブルーベリーは、ここには含まれていませんでした。
症例が少ないためだと考えられます。
そういえば、メロンやスイカが食べられない友人は、ブタクサの花粉症があります。交差反応だったんですね。
子供にアレルギーが出たらどうしたらいいの?
子供は、そばやピーナッツ、卵などでアレルギーを起こしやすく、症状も重いケースがあるので注意が必要です。
子供にアレルギー症状の疑いが出たら
呼吸が苦しそうでないか確認。緊急性が高いかも、と思ったらまずは【#8000】
息が苦しそう・全身に発疹が確認されるなど、普段と明らかに様子が異なる場合、それはアナフィラキシーショックかもしれません。この場合はすぐに救急車を呼びましょう、
しかし、判断がつかない場合は「子ども医療電話相談事業」に連絡をしましょう。
#8000をプッシュするだけで、お住まいの都道府県の相談窓口に自動転送され、小児医師・看護師からお子様の症状に応じた適切な対処の仕方や受信する病院等のアドバイスを受けられます。
僕はこの番号をスマホの電話帳に登録しています。
症状をよく確認し、かかりつけ医に相談する
呼吸の状態が落ち着いている場合は、かゆいのか、体のどの部分に発疹ができたか、呼吸の状態が悪くならないかなどをよく確認し、かかりつけ医に相談しましょう。
離乳食期などで、乳児に初めての食材を食べさせる時は、すぐに病院にいけるように平日の午前中に食べさせる方が安心です。乳児は自分の症状を言葉で伝えることはできませんから、大人が注意深く観察しなくてはなりません。
また、いきなり大量に食べさせるのは厳禁。少しずつ量を増やして様子をみましょう。
食べたものを確認する
呼吸が苦しそうでない場合に確認しておきたいことがもう一つ。
即時型アレルギーは、アレルゲンが体内に入った直後から数時間以内に発症します。
もしアレルギーの疑いがある反応があったら、直前に食べたものをまず確認しましょう。初めて食べたものがあったら、アレルゲンである可能性が高いです。
かかりつけ医に相談する際は、食べたものをできるだけ詳しく説明できた方がいいです。
食物アレルギーの大部分は乳幼児・幼児期に起こる
食物アレルギーは小児から成人まで認められますが、その大部分は乳児期に発症し、小児期に年齢ともに寛解していくケースが殆どを占めます。
人間の体ではいつも自分以外のものを排除しようという免疫が働いているのですが、食物抗原に対しては異物と認識していないのです(免疫学的寛容といいます)。
つまり食物アレルギーの子供たちにはまだ免疫学的寛容が食物に対して成立していない状態なのです。
食物アレルギーが年齢とともに良くなるということは食物抗原に対して免疫学的寛容が成立することだと考えられています。
出典:厚生労働省
大人になってもアレルギーに悩む人、また、大人になってからアレルギーが発症したケースもあるようです。
一人ひとりみんな違うように、アレルギーも十人十色(じゅうにんといろ)なのですね。
果物アレルギーを持つ友人の話
先ほど紹介した僕の友人は、大人になった今も果物アレルギーで苦しんでいます。
果物は大好きなのに、食べるとアレルギーが出てしまうのです。どうしても食べたい時は、かゆくなることを覚悟して食べるのだとか。
そんな友人が言われて辛かったことを紹介します。
・果物を食べられないなんて人生損してる
・こんなおいしいものを食べられないなんてかわいそう
・大丈夫だよ。おいしいから一口食べてみてごらんよ
何も事情を知らなかったら、僕もつい悪気なく言ってしまいそうです。
体が過剰に反応してしまうことは、本人の意思ではどうにもなりません。
進められた食べ物を拒否すると、怒り出す人もいたそうです。好き嫌いが激しいわがままな人だと、誤解されることも多かったと聞きました。
おいしいからといって、アレルギーを持つ人に安易に食べ物を進めるのは、危険なことなのだと知りました。
まとめ
- ブルーベリーは頻繁に症例が報告される食材ではないが、まったく起こらないとも言い切れない。
- 特定の植物のタンパク質と構造が似ている食物の場合、交差反応が起こりアレルギー症状がでることもある。
- 万が一あなたや、あなたの子供にアレルギー症状がでたら、まずは呼吸の状態を確認する。
- 判断がつかない場合は#8000(子ども医療電話相談事業)に相談する。
- 乳児・幼児期には体内構造が未発達のためアレルギー反応が起こりやすい。
- どんな食材にもアレルギーを起こす可能性がある。自分にはないからといって無理に食べ物を進めない。
ブルーベリーのおいしい季節は残暑厳しい8月中旬あたりですが、加工品や冷凍ものもあり、一年中手に入れることができます。
ブルーベリーは栄養たっぷりでおいしいフルーツです。甘酸っぱい果汁とジューシーな味わいで、やみつきになるはずです。
ブルーベリーのアレルギーが心配な方は、まずは少量ずつ、様子を見ながら食べてみてくださいね。
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