
ブルーベリー養液栽培の「かんたんキット」ってどういうもの?
自宅でブルーベリー養液栽培ができるってほんと?
どういうものが届くの?
初心者や一人でもできる?
この記事では、自宅でブルーベリー養液栽培を始めたい方向けに、
僕たちが実際に使った「かんたんキット」の体験談をまとめます。
今でこそ、福岡県直方市で「ブルーベリーラボ直方」という観光農園を運営していますが、
最初から大きな農園を持っていたわけではありません。
僕たちのブルーベリー養液栽培は、自宅で始めた「かんたんキット」からスタートしました。
当時「かんたんキット」で育てていた20本のブルーベリーは、
その後、プロ仕様の養液栽培システムへ引っ越し、今も当園で実をつけてくれています。
そして、観光農園としてブルーベリー栽培の経験を積んだ今、あらためて「かんたんキット」でブルーベリーを育てたらどうなるのか。
2024年から、農園のブルーベリーとは別に「かんたんキット」での栽培を再開しました。
その様子は、YouTubeメンバーシップ動画でも公開しています。
この記事では、かんたんキットで実際に届いたもの、設置して感じたこと、大変だったこと、やってよかったことを、できるだけ正直に書いていきます。
※本記事の情報は2024年度版になります。
僕たちのブルーベリー養液栽培は、かんたんキットから始まりました


当園のブルーベリー養液栽培は、最初から今のような本格的な設備だったわけではありません。
はじまりは、自宅で使っていた「かんたんキット」でした。
当時はまだ、今のように農園としてたくさんのブルーベリーを育てていたわけではなく、自宅でブルーベリー養液栽培を試している段階でした。
ブルーベリーをポットで育て、ポンプとタイマーで養液を届ける。
この仕組みを初めて体験したのが、かんたんキットでした。
かんたんキットは、自宅でもブルーベリー養液栽培を始めやすくするための、簡易的な養液栽培システムです。
プロ仕様の養液栽培システムと比べると、一部は簡易化されています。
ただ、ブルーベリーをポットで育て、ポンプとタイマーで養液を届けるという基本的な考え方は、プロの養液栽培と同じです。
使用する資材にも、プロの養液栽培で使われるものが含まれており、本格的なブルーベリー養液栽培の考え方を家庭向けに取り入れた仕組みです。
この「かんたんキット」は、ブルーベリー養液栽培業者であるアンマズハウスによって開発されました。
アンマズハウスはプロのブルーベリー養液栽培システムを取り扱っている業者です。全国各地で何百ヵ所のブルーベリー観光農園に養液栽培システムを導入しており、信頼と実績があります。
もちろんうちの農園もアンマズハウスに導入してもらいました。
家庭でもブルーベリー養液栽培を体験できるように、必要な資材を組み合わせたもの。
それが「かんたんキット」です。
ただし、「誰でも絶対にうまくいく」というものではありません。
ブルーベリーは生き物です。
設置場所、日当たり、水の管理、苗の状態、季節によって育ち方は変わります。
あくまで、家庭でもブルーベリー養液栽培を始めやすくするための仕組み、というイメージです。
当園も最初は「かんたんキット」から始め、その後、プロ仕様の養液栽培システムへと移行しました。
ある程度の栽培スペースは必要ですが、かんたんキットはポットでブルーベリーを育てるため、地植えに比べると比較的省スペースで栽培できます。
そのため、限られたスペースでも複数の品種を育てやすく、自宅でブルーベリーの食べ比べを楽しむこともできます。
条件が合えば、家庭栽培とは思えないほど立派な実がなることもあります。
自分で育てたブルーベリーを収穫し、品種ごとの甘み・酸味・香りの違いを楽しむ。
かんたんキットは、そんなブルーベリー養液栽培の入り口になる仕組みです。
かんたんキットとプロ仕様の養液栽培システムの違い
「かんたんキット」はプロ仕様の養液栽培システムといくつか違う点があります。
- システムの一部が簡易化されているため、細かい設定はできない
- ブルーベリーの苗は30株までの対応
- 基本となる養液は同じであるが、作り方が少し異なる
他には、栽培スペースの近くに100Vのコンセントが必要です。水道や井戸などが栽培する場所の近くにあった方が良いです。
プロ仕様と同じことがすべてできるわけではありませんが、家庭でブルーベリー養液栽培を始める入り口としては、とても分かりやすい仕組みだと感じました。
詳しい購入方法は専用ページにまとめています
かんたんキットの詳しいセット内容、購入までの流れ、無料見積もりについては、専用ページにまとめています。
この記事では、僕たちが実際に使って感じたことを中心にお伝えします。
初期費用について
かんたんキットの初期費用は、育てる本数、苗の有無、送料、資材内容によって変わります。
一般的な鉢植え栽培と比べると、ポット、培地、ポンプ、タイマー、パイプ、養液などを揃えるため、まとまった予算が必要になります。
ただし、単に資材を買うだけではなく、設置マニュアルや購入後の相談サポートも含めて、家庭でも始めやすい形にしています。
正確な金額は、お客様の状況によって変わります。
「自分の場合はいくらくらいになるのか知りたい」
「今ある苗を使えるのか相談したい」
「庭で何本くらい始めるのが良いか知りたい」
という段階でも大丈夫です。
詳しくは無料見積もりからご相談ください。
実際に届いたものと、自分で準備したもの
ここからは、実際にかんたんキットを始めるときに届いたもの、自分たちで準備したものを紹介します。
写真や細かい資材の説明があるとイメージしやすいと思いますので、当時の作業を思い出しながらまとめていきます。
「かんたんキット」の購入後、しばらくして資材が納品されます。資材によっては業者から直接発送されるため、バラバラに届くことがありますのでご注意ください。
「かんたんキット」を構築するのに、納品される資材以外に自分で購入が必要なものがいくつかあります。また、準備しておくとかんたんキットの設置に役立つものがあるので、そちらもご紹介します。
届くもの
「かんたんキット」を購入すると、納品されるものです。
- 簡易タイマー
- バスポンプ
- 潅水用パイプ一式
- ブルーベリー専用肥料セット
- アクアフォーム
- 栽培ポット20L
- 栽培ポット60L
- かんたんキットマニュアル
- ブルーベリー苗(自分で購入可)
- 簡易タイマー
-
養液栽培の省力化をするタイマーです。
ブルーベリーの苗に養液を与える回数、時間をコントロールします。
100Vの電源が必要です。 - バスポンプ
-
ポリバケツに作った養液をブルーベリーの苗へ届けるためのポンプです。
養液栽培のいわば心臓部分です。 - 灌水用パイプ一式
-
パイプ類が届きます。
- 専用肥料
-
プロも使用している養液。
- アクアフォーム
-
ブルーベリーを育てる土(培土)、1袋100Lです。
- 栽培ポット20L
-
注文個数分届きます。
- 栽培ポット60L
-
注文個数分届きます。
- マニュアル
-
かんたんキットの設置方法・注意点が記載されてます。
- 苗
-
注文個数分届きます。
-
※ブルーベリー苗は、現在育てているものや近くでの購入でも構いません。こちらにつきましても当園で「かんたんキット」を購入される際にご相談に乗ってます。
購入しておくもの
「かんたんキット」を設置する前に、購入した方が良いものです。ホームセンターや近くの園芸店、100円均一ショップでそろえることができます。
- ポリバケツ(90Lサイズ以上・フタ付き)
- 計量カップ
- ココチップ
- 延長コード
- 防水ボックス
- 手袋
- キリ
- スコップ(ザル)
- ポリバケツ
-
「かんたんキット」の養液を溜めておくバケツです。90Lサイズで丸型・蓋付きをオススメしてます。栽培本数が多い時は、さらに大きいバケツをオススメしてます。ホームセンターにあります。
- 計量カップ
-
養液を作る際に必要です。10ml単位(できれば5ml単位)で測定ができ、総量が100mlのものが使いやすいです。100均にあります。
- ココチップ
-
苗を植え付けた後のマルチングに使用します。近くの園芸店、ネットで買えます。
- 延長コード
-
栽培場所とコンセントが離れている時に使います。ホームセンターにあります。
- 防水ボックス
-
屋外に置くタイマー・ポンプを保護するボックスです。ホームセンターにあります。
- 手袋
-
作業をする時に必要です。水を使うので厚手のゴム手袋も1つあると便利です。
- キリ
-
パイプに穴を開けるために必要です。3mmの穴が空くもの。100均にあります。
- スコップ
-
アクアフォームをポットに入れる時に使います。ザルでも代用できます。100均にあります。
準備しておくと良いもの
「かんたんキット」の設置をする時にあると便利なものです。
- ゴーグル・マスク
- 防草シート(あると便利)
- ゴーグル・マスク
-
乾燥したアクアフォームは舞いやすいため、目や鼻・口を守るためにあると便利です。
- 防草シート
-
ブルーベリーを育てるポットの下に敷いておくと、雑草が防げるので便利です。雑草が生えにくい場所で栽培するのでしたら必要ありません。
実際に一人でも設置できるのか(体験談あり)
かんたんキットは、マニュアルを見ながら一人でも設置できる内容です。
実際、僕自身もプロ仕様の養液栽培システムを導入する前に、かんたんキットで20本のブルーベリー栽培を始めました。
右も左も分からない状態でしたが、マニュアルを見ながら設置することができました。
ただし、本数が多くなると、ポットを並べたり、アクアフォームを入れたり、資材を運んだりする作業はそれなりにあります。
5本程度なら一人でも始めやすいと思いますが、20本、30本になると、誰かに手伝ってもらえるとかなり楽です。
「一人でできるか」と聞かれたら、できます。
でも「楽にできるか」と聞かれたら、誰かと一緒に作業した方が安心です。
実際に設置してみた流れ
ここからは、実際に数年前に自宅でかんたんキットを設置したときの流れです。
写真は、僕たちが実際に設置したときのものです。
設置する本数や場所によって作業量は変わりますが、全体の流れを知る参考にしてください。
栽培本数によりますが、僕たちが育てていた20本の「かんたんキット」は半日で設置の完了と養液栽培を開始することができました。


購入後に資材が届きます。袋に入った緑色のものがアクアフォームです。見た目よりはだいぶ軽いです。


栽培を予定している場所にポットを並べます。養液をためるバケツの設置もしました。


並べたポットにアクアフォームを入れて、ポットの下から水が出るぐらいたくさん水をかけます。
アクアフォームをポットに入れる時、水をかけるときにアクアフォームが舞いやすいので、ゴーグルとマスクを忘れない様にしてください。


ブルーベリー苗の根を崩します。写真は水をかけてますが、どの様なやり方で根鉢を崩しても良いです。


水でたっぷり濡らしたアクアフォームにブルーベリーの苗を植え付けます。


アクアフォームの上にココチップを乗せ、マルチングしてやります。


ポットの位置が決まってから、パイプに穴をあけていきます。穴が大きくならないように注意してください。
それぞれのポットに灌水されているかを確認してください。
確認後、養液を作成します。
タイマー設定をして、完成です。
実際にやってみて大変だったこと
かんたんキットを使ってみて、良かったことだけではなく、大変だったこともあります。
ここは、これから始める方の参考になると思うので、正直に書いておきます。
- アクアフォームが舞いやすい
- パイプに穴を開ける作業は少しコツがいる
- 電源と水の位置を考える必要がある
- 資材がそれなりに場所を取る
- 灌水時
- アクアフォームが舞いやすい
-
乾燥したアクアフォームはちょっとした風で舞います。
袋を持ち上げるとその軽さが実感できます。アクアフォームは人体に無害ですが、目に入ると結構痛いです。
鼻や口に入ると、イガイガします。
そのため、ゴーグル・マスクで目や鼻、口を保護してください。ちなみに私は慣れたので使ってません。
- パイプに穴を開ける作業は少しコツがいる
-
パイプに穴を空ける時は穴が大きくならないように注意してください。
また、逆側に貫通しないように丁寧に作業をしてください。
- 電源と水の位置を考える必要がある
-
ポンプやタイマーを使うため、電源が必要です。
また、水や養液を扱うので、水道や井戸が近い方が管理しやすいです。
庭のどこに置くかは、見た目だけでなく、電源・水・作業のしやすさも含めて考える必要があります。 - 資材がそれなりに場所を取る
-
ブルーベリーを複数本育てると、ポットやバケツ、配管などである程度のスペースが必要になります。
1本だけの鉢植えとは違い、複数本を管理する前提なので、設置場所は事前に確認しておいた方が良いです。
- 灌水時
-
それぞれのポットに灌水がしっかりされているか。エンドコネクターを閉めすぎていないか。タイマーがきちんと作動するかも確認してください。


バキュームブレーカーから出る養液はポリバケツに入る様にして下さい。
かんたんキットを設置するときは、いきなり組み立て始めるよりも、先に設置場所をイメージしておくことをおすすめします。
- どこにポットを置くのか。
- 水のタンクはどこに置くのか。
- ポンプやタイマーはどこに置くのか。
- どのようにパイプを走らせるのか。
先にざっくりとシミュレーションしておくと、設置したあとに「ここに置けばよかった」「パイプの長さが足りなかった」といった失敗や後悔を減らしやすくなります。
僕たちも、ブルーベリー養液栽培を始める中で、栽培そのものだけでなく、設置場所や配管の取り回しを考える大切さを感じました。
やってみて良かったこと
大変なこともありましたが、かんたんキットで始めて良かったこともたくさんあります。
水やりと肥料管理の流れが分かりやすくなった
ブルーベリー栽培で迷いやすいのが、水やりと肥料管理です。
かんたんキットでは、ポンプとタイマーを使って養液を届けるため、管理の流れがつかみやすくなります。
もちろん、完全に放置できるわけではありません。
でも、毎回「水はどれくらい?」「肥料はどうする?」と迷う状態よりは、管理しやすくなります。
複数品種を育てる楽しさがある
ブルーベリーは、品種によって味も香りも酸味も食感も違います。
甘いだけではなく、酸味や香り、品種ごとの個性があるのがブルーベリーの面白さです。
複数本育てることで、自宅でも品種ごとの違いを楽しめるようになり、気に入った品種も出てきて、将来の観光農園の品種選びにも役立ちました。
ブルーベリー栽培の面白さにハマった
僕たちは、かんたんキットでブルーベリーを育てる中で、ブルーベリー栽培の面白さにどんどん引き込まれていきました。
- 木が育つ様子を見ること
- 花が咲くこと
- 実が色づくこと
- 収穫して食べること
その一つひとつが楽しく、気づけばブルーベリーの沼に入ってました(笑)
簡易的なブルーベリー養液栽培システムといっても、自分の手で育てて、はじめて食べたブルーベリーの実は格別でした。
トラブルや消耗品について
かんたんキットを使っていると、ポンプ、タイマー、ドリップピンなどでトラブルが起きることもあります。
これらは消耗品でもあるため、長く使っていく中で交換や調整が必要になる場合があります。
当園から購入された方には、そうしたトラブル時の相談にもできる範囲で対応しています。
実際に使ってきたからこそ分かる注意点もありますので、困ったときはご相談ください。
かんたんキットが合う人・合わない人
かんたんキットが合いやすいのは、以下のような方です。
- 自宅でブルーベリーを複数本育てたい人
- 水やりや肥料管理で迷いやすい人
- 庭でブルーベリー養液栽培を始めたい人
- 5本〜10本くらいから試してみたい人
- 将来的に20本〜30本へ増やしてみたい人
- 品種ごとの食べ比べを楽しみたい人
- 家族で収穫を楽しみたい人
- 自分で一から資材を選ぶのが不安な人
- 分からないときに相談できる相手がほしい人
反対に、以下のような方には合わないかもしれません。
- こまめな確認や管理をまったくしたくない人
- とにかく安く1本だけ育てたい人
- すべての資材を自作すること自体が楽しい人
- 電源を確保できない人
- 設置スペースがほとんどない人
- 水の管理が難しい場所で育てようとしている人
- できるだけ費用をかけずに試したい人
自宅でブルーベリー養液栽培を始めたい方へ


この記事では、僕たちが実際にかんたんキットを使って、自宅でブルーベリー養液栽培を始めた体験談をまとめました。
かんたんキットは、すべての人に合うものではありません。
でも、自宅でブルーベリーを複数本育ててみたい方、家庭でブルーベリー養液栽培に挑戦してみたい方にとっては、面白い選択肢になると思います。
最初からすべて分かっていたわけではありません。
分からないこともありましたし、大変な作業もありました。
それでも、ブルーベリーが育っていく様子を見ること、品種ごとの違いを楽しむこと、実際に収穫することは、とても楽しい経験でした。
気になる方は、まずは専用ページをご覧いただき、自分の環境に合うかどうか考えてみてください。
参考
関連して、ブルーベリー養液栽培やかんたんキットについては、YouTubeでも発信しています。
特にYouTubeメンバーシップでは、かんたんキット設置の様子や栽培管理を定期的に配信してます。
こちらも参考にしてください。
YouTubeメンバーシップのご案内
「かんたんキット」をより深く知りたい、学びたい方のためにYouTubeメンバーシップといったコミュニティも用意してます。「基本編」と「実践編」があります。
- 基本編
-
かんたんキットの説明・設置法|かんたんキットをもう少し知りたい方向け
- 実践編
-
上記のことに加えて、毎月の僕が育てている苗の様子、栽培のコツ、裏話など
実践編は定期的に僕の経験に基づいたノウハウを公開してます。


コメント