最近、視力が落ちてきた・・・
視力回復にブルーベリーって有効なのかな?
このようなお悩みに答えます。
結論から言うと、ブルーベリーには視力を回復させる作用はありません。
したがって、下がった視力を回復させるためにブルーベリーを積極的に食べても、視力回復にはつながりません。
ただ、ブルーベリーには、「目にいい」とされる成分が多く含まれているため、目の健康ためにも、毎日の食事やおやつに取り入れるのは、有効だと言えます。
そもそも、視力とは物を見る力を示すもので、目が健康と言えるかは別問題なのです。
今回は、ブルーベリーが視力にもたらす効果や、視力と目の健康の違いについて、調べてみました。
福岡県直方市にあるブルーベリー食べ比べ観光農園
『ブルーベリーラボ直方』です。
非農家出身で、農地もありませんでした。
40年間、農業とは縁のない人生でした。
ブルーベリー養液栽培で育てられたブルーベリーに感動。
「かんたんキット(簡易的なブルーベリー養液栽培)」からブルーベリー養液栽培の世界に。
2019年10月:本格的なブルーベリー養液栽培を開始。
妻とともにプロのブルーベリー農家になることを決心。
2021年6月:ブルーベリー食べ比べ観光農園をオープン
プロのブルーベリー農家としてブルーベリー栽培の情報を発信中
(YouTubeはこちら)
ブルーベリーでは視力が回復しない理由2つ
ちょっとびっくりですよね。
ブルーベリー農家として普段からブルーベリーを食べていますが、そういえば、視力がグングンよくなっている感覚はありません。
皆さんには正しい知識を持って、おいしくブルーベリーを食べてほしいと思ってます。
その1:信頼できる研究結果がない
現時点では、ブルーベリーが視力回復に有効であるというデータはありません。
国立健康・栄養研究所のデータベースでも、ブルーベリーの視力回復効果は否定されております。
そもそも目に良いとされているのは野生種のビルべリーであって、ブルーベリーとは別種であるという報告までされています。
その2:「ブルーベリー=視力回復」は根拠がないため不当表示にあたる
「飲むだけで視力回復」と、うたった食品メーカ―に対して、消費者庁は不当表示であるとして、販売会社に課徴金納付命令を出したニュースもあります。
商品名に「ブルーベリー」が使われていましたが、当該食品が視力を回復させる合理的な根拠がないと、現段階では判断されています。
なぜブルーベリーが目にいいと言われるのか
他の記事で紹介しましたが、「ある逸話」がきっかけとなっているようです。
戦時中、イギリス空軍のあるパイロットが、ビルベリー(ブルーベリーの一種)のジャムをつけたパンを毎朝食べていたところ、夜の飛行で暗いところでも目がハッキリ見えたという話がありました。
これをきっかけに、ヨーロッパを中心に研究が進められたそうです。
当ブログ記事より
この逸話に便乗した食品回会社がこぞって、「ブルーベリーは目にいい」と、売り出し文句として利用し始めました。
消費者側は無意識に「目にいい=視力回復」「ブルーベリーを食べるだけで目がよくなる」などプラスにとらえてしまいます。
また、「視力が確実に回復する」など、はっきり提言していなくても、勝手にポジティブにとらえてしまうのが人間。
衰える視力を回復させたい、かつてのようにはっきりクリアな視界を取り戻したい、という願いが、現在のように「ブルーベリー=視力回復」というイメージを定着させていったのではないかと考えます。
「視力」と「目の健康」は似て非なるもの
視力と目の健康には密接な関わりがあります。
短期間で著しく視力が低下している場合、何らかの原因で目の健康が脅かされている可能性があります。
しかし、厄介なことに、視力がいいからといって目が健康であるとは限りません。
2つの事例を紹介します。
白内障
白内障のとき、混濁の程度がかなり強くても視力は落ちていないことがあります。
視力を測るのに使う輪(ランドルト環)は白地に黒で書かれ、コントラストがはっきりとしているのが特徴です。
コントラストが高いと、白内障で全体にかすみがかかった状態になっていても比較的見分けやすいので、視力を測ると意外に良いのです。
しかし、実際の生活では、人の顔が見分けにくくなっていたり、夜間の運転ができなくなってしまっていることがあります。
川本眼科HPより引用
かくれ遠視
若い人は一般に調節力が強く、軽い遠視の人も調節力を働かせて、正常な視力を示すことがあります。
視力検査ではわからない、この“かくれ遠視”、目の疲れやすことが多いのです。心あたりはありませんか?
東海光学株式会社HPより引用
視力はよくても、目が疲れやすかったり、乾きやすかったりする人もいますよね。
長時間テレビやパソコンを見続けると、目が疲れて頭痛に発展するケースもあります。
私も長時間ブログを書いていると目が疲れて肩が凝ります。
ゆっくりお風呂に入ったり一晩寝てしまうとスッキリするのですが、つい目に負担がかかる生活を送りがちです。
ブルーベリーは手軽で栄養価が高いスーパーフード
では「ブルーベリーは目にいい」、というのは真っ赤なウソなのか、というと、そうでもありません。
ブルーベリーが目の健康に有効であることは、数々の研究で明らかになっています。
ブルーベリーには、ポリフェノールの一種であるアントシアニンが多く含まれています。これはファイトケミカルと呼ばれ、私たちの体に有益に作用する成分なのです。
アントシアニンとは、植物が紫外線など有害な光から実(身)を守るために蓄えられる青紫色の天然色素です。
わかさの秘密HPより
健康に寄与する機能性物質として注目されており、抗酸化作用、がん予防効果、視機能改善作用、血小板凝集阻害作用などが明らかにされています。
ヤクルト中央研究所より
また、ブルーベリーには、アントシアニンの他、抗酸化作用の高いビタミンCや、血行促進・疲れ目の解消に効果のあるビタミンEなどが含まれています。
米国ではスーパーフードと呼ばれ、一般的な食物と比べ栄養価の高い食材として取り上げられているんですよ。
ブルーベリーの摘み取りに来たお客様には、その場で食べごろのブルーベリーを伝授してます。
来ていただいた方に、目の前で完熟ブルーベリーをお伝えしているのは、完熟していて甘さが強く、おいしいブルーベリーを食べていただきたいのが一番の理由です。それに、完熟したブルーベリーはアントシアニンが豊富に含まれているので、栄養価が高いのですよ。
摘み取りに行けなくても、スーパーの冷凍コーナーには一年中、冷凍されたブルーベリーが手に入ります。
おわりに
いくら体にいいからといって、ブルーベリーばかり食べてはいけません。
以前ブログで紹介しましたが、ブルーベリーを食べすぎると下痢になります。
カロリーも糖質も控えめで栄養価も高く、本当に優秀な果物なのですが、食べすぎは禁物。
栄養補給として、日々のお楽しみとして、おいしいブルーベリーと上手にお付き合いくださいね。
よかったら他の記事も参考にしてみてくださいね。
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