ブルーベリーは糖尿病の予防に有効ってホント?
健康診断で血糖値が高めだと医師に言われました。糖尿病が怖いです…
このようなお悩みに答えます。
ブルーベリーは糖尿病予防に効果があります。
ひとたび糖尿病を発症してしまうと、治療は生涯にわたります。
生活習慣の見直しからはじまり、治療のために食事制限や糖質管理などをし続けなくてはなりません。
好きなものを好きなだけ食べる生活をしている人にとっては、とても辛いことでしょう。
だからこそ、予防が大切。
糖尿病は、食事や運動である程度の予防ができると言われています。
甘酸っぱくておいしいブルーベリーで糖尿病の予防ができるなら、ストレスなく続けられそうな気がします。
この記事では、糖尿病の予防に有効なブルーベリーの成分や食べ方について説明していきます。
福岡県直方市にあるブルーベリー食べ比べ観光農園
『ブルーベリーラボ直方』です。
非農家出身で、農地もありませんでした。
40年間、農業とは縁のない人生でした。
ブルーベリー養液栽培で育てられたブルーベリーに感動。
「かんたんキット(簡易的なブルーベリー養液栽培)」からブルーベリー養液栽培の世界に。
2019年10月:本格的なブルーベリー養液栽培を開始。
妻とともにプロのブルーベリー農家になることを決心。
2021年6月:ブルーベリー食べ比べ観光農園をオープン
プロのブルーベリー農家としてブルーベリー栽培の情報を発信中
(YouTubeはこちら)
【はじめに】この記事での「糖尿病」とは「2型糖尿病」を指しています
糖尿病は大きく分けて4つの種類があります。
- 1型糖尿病
- 2型糖尿病
- その他
- 妊娠糖尿病
この記事では特に断らない限り「2型糖尿病」を「糖尿病」と表現しています。
ブルーベリーが糖尿病の予防にいいと言われる理由3つ
- ブルーベリーは果物の中でも糖質やカロリーが低い
- ブルーベリーにはアントシアニンが豊富
- 血糖値の上昇を抑える食物繊維が豊富
ブルーベリーをはじめ、果物は糖尿病の予防に有効です。
ハーバード公衆衛生大学院(HSPH)の研究では、果物をよく食べる人は、2型糖尿病のリスクが低いことが明らかになったという報告があります。
果物を食べると糖尿病リスクが低下することが、多くの研究で明らかになっている。
引用:糖尿病ネットワーク
果物や緑黄色野菜には、ビタミンA(βカロテン)やビタミンC、カリウムなどのミネラル、フラボノイドが多く含まれる。これらには抗酸化作用があり、動脈硬化を予防する効果があると考えられている。
果物には果糖や食物繊維が含まれており、血糖を比較的上げにくいことが知られており、糖尿病の食事療法でも勧められている。とくにブルーベリー、ブドウ、リンゴを食べると、糖尿病の発症リスクが低下するという報告がある。
ブルーベリーは果物の中でも糖質やカロリーが低い
なじみのある果物の、100gあたりのカロリーと糖質を調べてみました。
ブルーベリーはカロリーも糖質も低く、糖質制限中の人にとってもうれしい食べ物です。
さわやかな甘さもあるので、おやつとしても代用できます。
ちなみに、コンビニのおにぎり1個の糖質は、約40gです。
果物名 | 100gあたりのカロリー | 100gあたりの糖質 |
ブルーベリー | 49kcal | 9.6g |
リンゴ | 54kcal | 13g |
ブドウ | 59kcal | 15.2g |
かき | 60kcal | 14.2g |
バナナ | 86kcal | 21.4g |
イチゴ | 34kcal | 7.1g |
みかん | 45kcal | 11.1g |
ブルーベリーにはアントシアニンが豊富
ブルーベリーにはアントシアニンが豊富に含まれています。
高い抗酸化作用があり美容効果が期待できるアントシアニンですが、糖尿病の予防にも大変有効な成分なのです。
アントシアニンは血糖値の上昇を穏やかにする働きがあると言われています。また、インスリンの動きをよくするという報告もありました。
まだまだ十分な研究がなされていないのが現状ですが、アントシアニンが糖尿病予防に有効であるという報告も多く、今後の研究が注目されています。
糖尿病は、とても簡単に言うと、血液中の糖を体内に吸収させる「インスリン」が正常に働かなくなる病気です。
血液中は糖でいっぱいなのに、インスリンの働きが悪いことで、体の末端まで栄養である糖がいきわたらなくなってしまいます。
血糖値の上昇を抑える食物繊維が豊富
ブルーベリーは皮ごと食べられるため、食物繊維が豊富です。
果物の中でもブルーベリーの食物繊維含有量はトップクラスです。
食物繊維は糖分の消化や吸収を緩やかにしてくれます。他にも、便秘解消、食べ過ぎを防ぐなど、生活習慣改善にも大きく役立つ栄養素です。
糖尿病の人は1日20g以上の食物繊維を摂ることがすすめられています。
果物や野菜、海藻などに含まれる食物繊維には、血糖値を下げる働きがあるためです。
ブルーベリーで糖尿病予防したい人が気を付けること
ブルーベリーを食べるだけで糖尿病の予防になるなんて、ウソみたいな話ですが本当です。
しかし、気を付けてほしいことがあります。
ブルーベリージャム・ブルーベリージュースには要注意
糖尿病の予防に有効なブルーベリーですが、ジャムやジュースに加工したものは逆効果となる場合もあります。
なぜなら、糖質は液体で摂るほど血糖値が上がりやすいためです。
また、ジュースやジャムに加工する場合は加糖されているものが多いはずなので、糖質はグッと高くなってしまいます。
おまけに、加糖されている分カロリーも高くなります。
果物に含まれる食物繊維も、液体のジュースにするためにそぎ落とされてしまいます。
糖尿病予防や健康、美容のためにブルーベリーを食べるなら、生や冷凍などがおすすめ。果実まるごと楽しんでください。
ブルーベリーの食べすぎは禁物 食べすぎで起きるトラブル3つ
糖尿病になりたくないからといって、ブルーベリーばかり食べても効果は期待できません。
同じ食品ばかり食べていると、栄養バランスが偏ってしまいます。
ブルーベリーの食べ過ぎで起こるトラブルを3つ紹介します。
- 下痢
- 便秘
- アレルギー
下痢
ブルーベリーを食べすぎると、消化不良で下痢になることがあります。
なぜなら、ブルーベリーは食物繊維が多いからです。
冷凍ブルーベリーの場合は、食べすぎるとお腹を冷やしてしまいますので、より注意が必要です。
特に子供にブルーベリーを与えるときは注意が必要です。
後でお腹が痛くなると分かっていても、おいしさに負けて食べてしまう子も。
便秘
「えっ、食物繊維が多いのに何で便秘になるの?」と思った人もいるでしょう。
便秘の原因にも、食物繊維が関係しています。
ブルーベリーに多く含まれている不溶性食物繊維は、便をかさ増しして腸の動きを促すため便秘に効果的と言われています。
しかし、もともと便秘がちの人や、腸の動きが悪い人の場合、大腸内にとどまったまま膨れた便の水分が腸に吸収されてさらに便が硬くなり、便秘が悪化することがあります。
アレルギー
ブルーベリーを食べすぎるとアレルギーになる場合があります。
ブルーベリーはツツジ科に属しており、ツツジ科植物にアレルギーを持つ人がブルーベリーを食べると、症状が出る可能性があります。これを「交差反応」と言います。
ブルーベリーを食べて口の中がピリピリしたりかゆくなったりしたら、口腔アレルギーの可能性が高いです。すぐに食べるのをやめましょう。
糖尿病の予防が大切な理由3つ
糖尿病は、薬や手術で治る軽度なケガや風邪とは違います。
なぜなら糖尿病は、「治る、治らない」という表現が当てはまらない病気の一つだからです。
糖尿病の予防が大切な理由は大きく3つあります。
- 糖尿病は気づきにくい
- 合併症の恐れがある
- 治療がつらい
糖尿病は気づきにくい
痛みがない
糖尿病の症状として代表的なものは多尿・多飲などが挙げられます。
痛みなどはないので気づかない間に病気が進行してしまいます
症状がひどくなった時には、すでに合併症になっていた、なんてことも実際にはよくあるのだとか。
健康診断を受けていても発見しにくい「隠れ糖尿病」
空腹時の血糖値は正常値でも、食後に急激に血糖値が跳ね上がる人もいます。
これを「隠れ糖尿病」と言います。
通常空腹時に行う健康診断では、医師でもなかなか見抜けません。
合併症の恐れがある
糖尿病の「三大合併症」について説明します。
糖尿病は血管の病気とも言われています。血糖値が高い状態(高血糖)が続いていると、全身の細い血管や神経の障害が出てきます。
糖尿病の「三大合併症」と呼ばれる、糖尿病患者に特有な病気を紹介します。
・糖尿病網膜症:成人後の主要な失明原因の一つです
・糖尿病腎症:透析療法が必要になる原因の第一位
・糖尿病神経障害:手足のしびれやひどい下痢・便秘など、症状が全身に及ぶ
治療がつらい
インターネットで「糖尿病」「治療」と検索をすると、「疲れた」「つらい」などの言葉が多く見られます。
糖尿病ネットワークによると、糖尿病の治療がつらい理由は人それぞれのようですが、病気に対する理解が足りないことも大きな原因になっているようです。
僕が気になった記事を2つ紹介します。
糖尿病の治療には、毎日の服薬やインスリン注射、食事療法や運動療法、血糖自己測定といったマネージメントだけでなく、医師の診療を定期的に受けることや、家族や職場の理解といった社会的な交流も含まれる。
そうした糖尿病とともに生きる日々が負担になり、理解できない重みに感じられ、ときには敗北感をいだくこともある。
糖尿病患者が抱える心の負担は「糖尿病による苦痛」(diabetes distress)と呼ばれており、特にインスリンを使用する患者でしばしばみられるという。
「糖尿病の人はお菓子を食べ過ぎたため発症した」といった誤った理解をする人がいまだに少なくない。
2型糖尿病は遺伝因子と環境因子が合わさって発症するが、肥満でなくともインスリン分泌が低下すると発症しやすい。
糖尿病の予防は、さまざまな病気の予防にもつながる
糖尿病は、生活習慣病の一つです。
食事や運動を見直し、生活習慣を改善することで、糖尿病の他にも様々な病気の予防につながります。
メタボリック症候群
肥満
糖尿病
コレステロール
高血圧
痛風
骨粗鬆症
歯周病
「体質」や「遺伝」といった潜在的な要素をのぞけば、習慣から生まれる病気は、習慣によって改善されるもの。
引用:さとう製薬
意識的に生活を改善するだけで、生活習慣病のいくつかは同時に予防することができるのです。
昨今、ビジネス界でよく使われる“リスクマネジメント”の考え方を健康生活にも応用し、病気を呼び寄せない生活を心がけましょう。
できることから始めてみましょう。
まとめ
ブルーベリーを食べると糖尿病の予防ができるだけでなく、美容効果も期待できます。
ブルーベリーの冷凍されたものは、スーパーで簡単に手に入ります。また、摘み取りができるブルーベリー農園も各所にあります。生の摘みたてブルーベリーのおいしさは格別です。
健康のために、毎日の食事にブルーベリーをプラスしてみることをオススメします。
糖尿病は国が定める重要疾患のひとつです。
平成28年「国民健康・栄養調査」によると、糖尿病有病者と糖尿病予備群は合わせて約2,000万人いるといわれています。
糖尿病は、痛みがなく症状が現れた時には病気が進んでいることがあります。
健康診断の結果をもう一度確認してみませんか。ぜひ、ご自身の体に関心をもって、健康で過ごせるよう情報を集めていきましょう。
コメント